今年の24時間テレビで、注目を集めているのが元自衛官のお笑い芸人やす子さんのチャリティーマラソン挑戦です。8月31日から9月1日にかけて放送される「24時間テレビ47」で、やす子さんが走るマラソンには、彼女の過去の経験と強い思いが込められています。
やす子さんの意外な過去
やす子さんといえば、「はい～」という独特の口癖と明るいキャラクターで人気を集めていますが、実は彼女には意外な過去がありました。高校生の時期に児童養護施設で生活していたのです。
この事実は、やす子さん自身がこれまであまり公表してこなかったことでした。その理由について、やす子さんは「児童養護施設にいましたって言うと、友達に引かれたり、タブーな存在になってしまったから」と説明しています。
児童養護施設での生活
やす子さんが児童養護施設で生活することになった背景には、複雑な家庭環境がありました。2歳の時に両親が離婚し、母子家庭で育ちました。経済的に厳しい状況が続き、高校生の時期にほとんどを児童養護施設で過ごすことになったのです。
児童養護施設での生活について、やす子さんは「3食食べられて、こんな場所があるんだと思いました。施設には愛情に飢えている子ばかりいて、自分も誰かが気に掛けてくれているということがうれしかった」と振り返っています。
24時間テレビマラソンへの挑戦
今回、やす子さんが24時間テレビのマラソンランナーに選ばれた背景には、彼女の児童養護施設での経験が大きく関わっています。やす子さんは「自分の住んでいた養護施設に恩返しができたらという気持ちから始まった募金です」と語っています。
今年の24時間テレビでは、新たに「目的別募金」が設けられ、「マラソン児童養護施設募金」が実施されます。やす子さんのマラソンによって集められた募金は、全額が全国600カ所以上の児童養護施設のために使われる予定です。
マラソンへの準備と意気込み
やす子さんは6月末から練習を開始しており、「楽しく走っています。練習後のごはんがおいしいんですね。ちょっと減量しつつ、頑張ろうという感じです」と現在の状況を報告しています。
走行距離はまだ未定ですが、やす子さんは「自分が少しでも長く走ることで、長くQRコードがテレビに映ることができるので、少しでも多くの人に発信できたらなと思います」と意気込んでいます。
児童養護施設への思い
やす子さんは、児童養護施設での経験を通じて、支援の大切さを実感しています。「児童養護施設の出身で当時、うれしかったのが、クリスマスに企業からプレゼントが置かれたり、園の前に鉛筆が置かれていると、ちょっとでも自分を気にかけてくれる人たちがいることがうれしかった」と回想しています。
この経験から、やす子さんは「全国の児童養護施設の人たちが楽しく明るく思えるようなマラソンになったらと思います」と、今回のチャリティーマラソンに込める思いを語っています。
新たな取り組み：チャリティー市民ランナー
今年の24時間テレビでは、やす子さんの思いに賛同するチャリティー市民ランナーも募集されます。参加者はチャリTシャツを着用し、スタートと会場からやす子さんと一緒に走り、チャリティーに参加することができます。
参加資格は高校生以上で、走行距離は3～5キロメートルを予定しています。約1200人の参加者を募集する予定です。
批判への覚悟
やす子さんは、このチャリティーマラソンに対する批判の可能性も認識しています。「好きなだけ『偽善』って言ってもらって大丈夫です。むしろ批判されることも注目されてることなので、そこすらも活用させていただいて、自分の想いと養護施設のことをしっかりと伝えてきたい」と、強い決意を示しています。
おわりに
やす子さんの24時間テレビマラソンへの挑戦は、単なるチャリティーイベントを超えた意味を持っています。自身の経験を通じて、児童養護施設の重要性と支援の必要性を広く伝える機会となるでしょう。
やす子さんの走りを通じて、多くの人々が児童養護施設の現状や課題に目を向け、支援の輪が広がることが期待されます。8月31日から9月1日の放送を通じて、やす子さんの挑戦と思いが多くの人々の心に届くことでしょう。